研究課題
最終年度の本年度は慢性心不全患者のサルコペニアに対する温熱刺激の効果をRCTで検証する予定であったが、研究協力者が海外留学となり、その実施が困難であった。そのため本年度は本研究にて得た超音波画像診断装置による大腿四頭筋筋厚の評価を用いて慢性心不全患者におけるサルコペニアに対する影響の検討を行った。2017年に1502人の地域在住高齢者を対象に薬剤数5種類以上をpolypharmacyと定義しDXA法にてサルコペニアを診断すると、多変量解析にてpolypharmacyはサルコペニアの独立したリスクファクター(CI 2.24, Pvalue 0.002)であることが報告された。Polypharmacyがサルコペニアに影響を及ぼすことを示した初めての報告であり、本研究において慢性心不全患者におけるpolypharmacyがサルコペニアに影響を及ぼすかを検討した。対象は身体機能を評価している安定した慢性心不全患者70例とした.評価項目は薬剤数、身体機能、基本情報、心機能・心不全、栄養状態、血液検査所見とした。結果はpolypharmacyの一般的な定義である5種類以上の内服薬に該当する症例が約8割を占め、慢性心不全患者の多くはpolypharmacyに該当することがわかった。しかしながら、本研究でサルコペニアの指標となる大腿四頭筋筋厚を目的変数とした回帰分析においては、polypharmacyは単回帰分析では有意な影響を認めるものの、重回帰分析では有意な影響を認めなかった。一方、SPPBの下位項目に対してpolypharmacyは独立した危険因子であることがわかり、この結果は日本心臓リハビリテーション学会 第3回九州支部地方会にて成果発表し、優秀演題賞を受賞した。
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Clinical case reports
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10.1186/s12893-017-0314-y
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