研究課題/領域番号 |
26750195
|
研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
春名 弘一 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (00712168)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 人間医工学 / リハビリテーション / 理学療法 |
研究実績の概要 |
身体質量重心の力学的エネルギー変換効率は、歩行中の重力の効率利用の程度を定量的に表す指標である。従来、力学的エネルギー変換効率算出には、床反力計を用いて床反力前後方向成分と鉛直方向成分データから算出する方法と、三次元動作解析装置から求めた身体質量重心の位置情報から算出する方法が存在するが、いずれも大規模な実験室が必要である。H26年度の研究成果としては、新たな手法として、ゲーム用デバイス(Kinect センサ)を活用し、人間の関節位置をから自動的に取得し、リアルタイムに身体合成重心を描写するアプリケーションを開発した。 本研究により開発したKinectセンサ(v1)を用いたシステムと、既存手法である三次元動作解析装置とで健常被験者を同時計測し、身体質量重心の位置情報について精度検証実験を行った。結果としては、Kinect(v1)検出範囲(0.8~4.0m)の中央付近では比較的良好に身体質量重心位置が得られている一方、検出範囲の境界に近づくと誤差が大きくなった。特にセンサから遠ざかると高周波ノイズの増大とともに計測精度が低下していた。結果の要因としては、Kinectセンサは本来ゲーム用コントローラデバイスであり、プレイ中の使用頻度の低いカメラ距離について計測精度が重視されていないと推察した。今回の研究結果は複数台のKinectセンサを用いたシステム構築により、計測精度が向上する可能性を示唆した。該当研究における平成26年度の研究業績は、国際会議発表2件、国内学会発表7件である。 現在はマイクロソフト社より新たにリリースされたKinectセンサ(v2)を活用したシステムを開発し、精度検証実験を進行中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の計画は歩行中の力学的エネルギー変換効率を算出するアプリケーションの開発であった。研究計画は概ね順調に進行しており、開発したシステムの精度検証実験に移行している。
|
今後の研究の推進方策 |
従来法により得られたデータとの本システムで得られたデータとの差異、および誤差を最小化する手法を検討し、従来法と本システムとの関係性から統計学的な見地から補正アルゴリムの確立を目指す。また、健常者データを蓄積し、フィードバックに必要な基礎データ作成を目標とする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は2,693円と小額であり、ほぼ計画通り支出した。
|
次年度使用額の使用計画 |
kinectセンサ(v2)や三次元動作解析装置のマーカー、ボディスーツ、学会旅費等に使用する計画である。
|