研究課題/領域番号 |
26750198
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研究機関 | 群馬医療福祉大学 |
研究代表者 |
山口 智晴 群馬医療福祉大学, リハビリテ-ション学部, 准教授 (50641461)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知症 / 社会的認知 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究では、介護家族など周囲の人が認知症者の社会的認知(他者の表情や意図理解などに関連するsocial cognitionという機能)の障害が理解しやすい様なツールを検討するために、子どもの発達過程と認知症者における社会的認知の関連について調べるとともに、介護家族やケア職へsocial cognitionの視点を活かした認知症ケアをレクチャーする方策について検討する。 子どもの発達過程と高齢者におけるsocial cognitionの関連性については、social cognition課題のうち記憶や言語機能に障害のある認知症高齢者に対しても実施可能な課題(Y-FEMT)を幼稚園児と小学生の約100名に実施した。また、発達障害の診断のある児にも同課題の実施協力を得た。それらの結果について集計・解析するとともに、高齢者における同課題の結果との関連性も検討し、論文投稿に向けた作業を実施した。 また、認知症者を介護する家族やケアスタッフにそれらの視点をどの様にレクチャーするかについては、得られたデータや先行研究の結果をまとめて検討した。認知症者におけるsocial cognitionについての予備的検討では、特色が異なる2か所の病院に協力を依頼し、約120名の病院職員に対し、social cognitionの用語認知度や子どもの発達過程との関連、social cognitionという視点をケアに活かす有用性などを調査した。結果的には、social cognitionの認知度は低いが、大多数の職員がsocial cognitionの視点を認知症ケアに生かせそうと回答した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集は終了したが、論文投稿作業が遅れている。また、レクチャーの効果を検討するにも交絡要因が多いため、検討の方を考え直す必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでで得られた結果を基に、レクチャー後が実際の臨床業務に活用できるかについて、縦断的に調査するだけでなく、介護家族に対してもsocial cognitionの視点がケアに有用であるかについて調査する予定である。最終年度であり、研究成果をまとめて論文投稿するとともに、得られた結果を臨床場面に還元する方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿作業など一部作業の進捗が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度のため、データの分析、研究結果の論文投稿、学会発表旅費等に使用予定
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