社会的認知について、認知症高齢者での低下と子どもの発達過程との関連性を調査するため、幼稚園児と小学生165名に対して表情作成課題Y-FEMTを実施し、認知症高齢者におけるその結果と対比した。子どもは月齢とともに課題成績が向上し、特に顔の基本的構成能力を示す得点が早期に獲得され、次いで表情作成能力を示す得点が獲得される傾向にあった。これはアルツハイマー型認知症の進行による課題成績の低下のパターンを逆行していた。 また、認知症高齢者のケアにかかわる医療・福祉専門職380名への調査では、社会的認知という言葉の理解度は低かったものの、8割以上が認知症高齢者のケアに社会的認知の視点が役立つと回答した。
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