本研究では、維持期脳卒中片麻痺者において特別な機器を要さず簡便に実施可能な歩行練習による歩行機能向上効果を検証した。通所リハビリテーションを利用する地域在住の維持期脳卒中片麻痺者を対象に、用いている杖をできるだけ早く出すようにして歩く杖操作促進歩行練習、非麻痺側または麻痺側の下肢で床上の直線上を踏むようにして歩くラインステップ歩行練習のいずれかを4週間実施した結果、各歩行練習において歩行速度の有意な増加が認められた。本研究で検証した歩行練習は一般的に障害の改善が得られにくいとされる維持期脳卒中者の歩行機能改善を図る効果的・効率的な歩行練習方法の1つになる可能性が示唆された。
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