平成27年度以降は,主に,下記の研究目標(B),(C)に取り組むことを目標とした.ここではまず,提案手法を用いて筋音図から嚥下運動をモデル化する方法について検討すした.そして,モデル化された嚥下運動をCGや実体のある嚥下シミュレータで再現できるようにする.平成28年度も引き続き以下の(B-1),(B-2)の検証を行った。 (B-1) 筋音図による評価と従来法との比較:健常者を対象とした臨床試験を行い,従来の嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)と同時に筋音図の計測を行い,嚥下運動の観察結果と筋音図の測定結果との比較を行ったつまり,嚥下運動における各器官の動きと筋音図から得られる特徴量との対応関係を調査する.これにより,筋音図から得られる特徴を用いて,嚥下運動における食塊の流れと各器官の協調運動とを推定することが出来るかどうか検証した.(B-2): 筋音図による嚥下障害の分析様々な症例の嚥下障害患者を対象に,(B-1)と同様の臨床試験を行った。これにより,障害の種類と筋音図の特徴との関係を調査し,筋音図の情報から障害の有無の識別,あるいは障害のある器官の特定が可能かどうか調査した.また,同様の臨床試験を様々な年齢の健常者にも行い,年齢の違いの影響も調査したいと考えている. 本研究は今後も継続を要する。 ①筋音図を用いた嚥下運動の再構成、②嚥下リハビリテーションへの適用とまとめを行っていく方針である。
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