近年、筋電義手の開発競争が高まり、その基礎技術が確立されてきた。われわれは電気通信大学横井研究室の協力の下、触覚、位置覚を計測できる全方位センサの開発、母指独立動作における筋電制御装置の開発とともに、数十秒の学習時間で手指屈伸などの動作を個々人の筋電信号から教えることで個性適応型情報処理を備えた筋電義手を開発してきた。これを実際の患者に適応し特に上腕切断患者には肘関節屈伸運動を含めた6運動を可能にした義手を製作した。さらに効率の良い末梢動作を筋電義手に与える目的で断端神経を残存筋に移行させたが、現在臨床機能評価、電気生理学的評価、ADL評価で追跡中であり、今後さらに症例を重ねる予定である。
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