研究課題/領域番号 |
26750237
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研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
中窪 翔 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 生活機能賦活研究部, 特任研究員 (10707889)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 睡眠障害 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
軽度認知障害 (mild cognitive impairment: MCI) を有する高齢者の睡眠状態をポリソムノグラフィー、多点配置感圧センサーシート、高感度加速度センサー付体動計 (actigraph) と安価な3軸加速度センサー付き活動量計を用いて測定し、簡便かつ安価で検査可能な活動量計による睡眠評価指標算出のアルゴリズムを作成すること、および3軸の加速度センサー付き活動量計および作成したアルゴリズムにより、健常高齢者とMCI高齢者の睡眠状態を評価して、MCI高齢者における睡眠障害の実態を明らかにすることを本研究の目的としている。若年成人男性20名を対象に、3軸加速度計を内蔵した活動量計による睡眠の評価指標と、actigraph、多点感圧センサーシートによる評価との相関を検証し、その妥当性を検討している。3軸加速度センサー付き活動量計 (Active style Pro HJA-350IT) は測定信頼性が高く、対象者にとっても腰部に装着するだけで簡便に測定が可能なため、軽度ではあるが認知機能低下を有するMCI高齢者にとっても扱うことが可能である。actigraph (AMI社製 Motion Logger) は、高感度3軸加速度計を内蔵した当機器を腕に装着することで、総睡眠時間や睡眠潜時、睡眠効率などの多数の睡眠指標を計測することができ、その信頼・妥当性が検討されている。多点感圧センサーシート (スリープレコーダSD-101) は、体にセンサーを装着せず、普段の睡眠を妨げることがないため、簡便な計測が可能である。睡眠評価における標準的な測定方法であるactigraph、多点感圧センサーシートなどから算出される指標を活動量計から推定する算出アルゴリズムを作成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、平成26年度には、若年成人男性20名を対象に、3軸加速度計を内蔵した活動量計による睡眠の評価指標と、actigraph、多点感圧センサーシート、PSGによる評価との相関を検証し、その妥当性を検討し、さらに平成26年度末より、平成25年度に所属研究機関にて実施される軽度認知障害 (mild cognitive impairment: MCI) 有病率を検証するための大規模健診 (戦略的創造研究推進事業、厚生労働科学研究費) で受診した約5000名から健常高齢者及びMCI高齢者を選定し、健常高齢者(大規模健診を受診した者の中から、認知症の診断を受けておらず、上記のMCIの基準に該当しない高齢者の中から無作為に抽出)100名を対象として睡眠の客観的評価を実施する予定であった。計画がやや遅延している理由としては、研究計画遂行における測定機器の選定の見直しや、対象者の選定基準の見直しなどが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、若干の遅延がみられる健常高齢者に対する睡眠評価を実施し、その後にMCI高齢者100名の睡眠評価を実施する。また、認知機能評価指標との関連性を検討し、健常高齢者とMCI高齢者の比較及びMCIのサブタイプ(健忘型、非健忘型)による比較により、睡眠障害がより特異的に関連している認知機能低下を特定する。今後の課題として、MCI高齢者の確保が挙げられ、リクルート方法の見つめ直しを行い進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に執筆していた論文の校正会社に依頼する依頼料として確保していたが、執筆作業の遅延のためにその依頼が不可能となった。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
執筆している論文の校正を校正会社に依頼し、その依頼料として使用する。
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