運動学習における神経基盤は小脳プルキンエ細胞での長期抑圧であり、この長期抑圧の発現には延髄下オリーブ核を起始とする登上線維入力が必要不可欠である。しかしながら、運動学習に重要な登上線維入力が、運動制御においてどのような役割を有するかはほとんどわかっていない。そこで本研究課題は、運動制御における登上線維入力の特性および役割を調べることを目的とした。円滑な運動制御には、その基盤となる姿勢制御が重要となる。そのため、対象とする運動課題は、ラットに対する後肢直立課題とした。今年度は、以下の結果が得られた。 1. 重心動揺の周波数解析の結果、下オリーブ核破壊ラットでは1-2Hz付近のゆっくりとした運動にピークが見られた。 また、今年度も所属先移動があり、研究成果の公表を中心に行わざるを得なかった。
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