本研究では、いのちの教育で身体がどのように位置づけられてきたかを、日米の比較を取り入れながら、歴史的な展開を明らかにすることで再考し、今後のいのちの教育における身体の位置づけについて展望したものである。 アメリカのデス・エデュケーションと日本のいのちの教育を比較すると、理論的な面では両者とも身体に注目した研究は見受けられなかった。一方、日本の教育実践では、子どものいのちを育むという視点から身体に注目したものや、後景ながらも身体に言及した実践が見受けられた。日本のいのちの教育は、アメリカからの影響を受けつつも独自に展開し、近年は心の面に傾斜しながらも身体をとおしていのちを学べる教育でもあった。
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