研究課題/領域番号 |
26750247
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
田原 亮二 名桜大学, 健康科学部, 教授 (70441780)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スノーケリング / 水泳指導 / 観点別自己評価 |
研究実績の概要 |
本年度はスノーケリングを教材として用いた水泳指導を小学生に対して行い,その学習効果を観点別の自己評価の変化から検討した.
技能に関する児童の自己評価は授業前(22.0±8.3)と比して授業後(35.0±6.8)に有意な向上を示していた(p <.01).技能の観点に関しては全ての質問項目で授業後に有意な向上を認めた.知識に関する児童の自己評価も授業前(9.2±3.1)と比して授業後(13.8±5.6)に有意な向上を示した(p <.01).本研究では時間の制約上,泳距離の測定や泳動作の評価は実施していないため,実質的な水泳技能の向上は不明であり,技能の評価に関しては「身体的有能さに関する認知」や「統制感」を示しているとも考えられる.しかしながら,泳法に関する「知識・理解」も併せて向上していることから,スノーケリングを利用した教材は,小学生において泳法に関する「知識・理解」を高めるのを助け,水泳技能の獲得を促進すると言える. 水泳の「技能」および「知識・理解」に関する自己評価が向上したことから,小学校の水泳単元においてスノーケリングを教材とした指導は有効であると言える.今後は,泳距離の計測や泳動作の評価などにより,水泳の技能の実質的な向上を評価する必要があると考えられる.本研究では60分程度の実践であったため,児童の「関心・意欲・態度」の持続性や,器材を外した後の泳法指導への授業展開方法の開発,評価が今後の課題として挙げられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は概ね計画通りに研究活動を遂行できたが、昨年度の病気療養期間の遅れを取り戻すまでには至らず、また配偶者の出産育児が重なったため3年間の研究計画としては依然としてやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
小・中学校におけるスノーケリングを用いた水泳指導教材の開発および指導案作成は既に完成し、平成27年度に各校種における実践を行っている。今年度は昨年度の実践を踏まえ教材、指導案に修正を加え再度実践を行い、指導効果の向上を目指す。 研究目的に示している、泳動作の評価については着手できていないため、平成27年度の調査データおよび、今年度の調査データを解析し、児童生徒の泳動作の技能修得、経年発達についても研究を進めたい。 また、現状研究者が実施している授業実践を協力校の教員に担当していただき、授業担当教員の時間内での動きをビデオカメラで記録し、教師行動観察法を用いて直接指導、巡視、マネジメント、相互作用の別に集計し、評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
授業実践を研究者が行っているため、授業実践補助に係る人件費がかかっていない。そのために余剰金が発生している。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は授業実践を複数のグループに分けて展開するため、授業実践の補助が必須であるため、学生アルバイトに対する謝金として計上する予定である。
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