1989年に文部省(当時)は、機構改革を行い、体育局に生涯スポーツ課と競技スポーツ課を設置した。この機構改革によって、「生涯スポーツ」という用語が日本に広まったといわれ、日本のスポーツ政策の転換点の1つとして挙げられる。そこで、本研究はどのような経緯で文部省内に生涯スポーツ課と競技スポーツ課が設置されたのか明らかにすることを目的とした。研究の方法は、文献研究及び関係者への聞き取り調査を行った。 研究の結果、生涯スポーツ課・競技スポーツ課の設置には、生涯教育から生涯学習への移行という時流に乗り、余暇時間の増大や国民のスポーツへの欲求の変化などが関連し、設置されたことが推察された。
|