本研究では、学校体育やスポーツ活動の指導現場で見受けられる、「50%」、や「全力より少し弱く」といった、相対的(数値使用)あるいは抽象的(数値不使用)な種々の表現方法での運動強度呈示下における、運動実施者の主観と客観の差異を明らかにするとともに、その際の運動制御機構を解明することを目的とした。数値使用/不使用状況下での力覚測定およびその際の筋活動動態を計測した結果、運動強度の段階付けにおいて、上肢運動では、強度が高い場合には数値使用、より低い場合には数値不使用による運動強度呈示下で精度良く目標とする運動強度を実現できる可能性が示唆された。
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