近年,多数の横断的な調査研究や事例的な介入研究から,“Collective Efficacy”(CE)とパフォーマンスとの間には有意な関係性が報告されているものの,未だ競技スポーツ場面における現場での応用例は確認されていない.そこには,客観的妥当性を有した尺度の開発やCEの変容過程を縦断的に検討することが課題であった.本研究の種々の知見は,CEがバスケットボールチームのパフォーマンス向上にとって有用であることを示すとともに,CEとチーム・パフォーマンスの間のダイナミックなプロセスの理解に役立つことを示し,これらは,コーチング領域におけるCEの実践的な援用可能性を支持するものであった.
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