研究課題/領域番号 |
26750274
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
永山 貴洋 石巻専修大学, 人間学部, 助教 (20451502)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 幼児体育 / 運動指導 / 比喩的な指導言語 / 認識論的信念 / 養成課程 / 大学生 |
研究実績の概要 |
平成27年度は,保育士,幼稚園教諭養成課程に在籍する大学生を対象として,指導経験の少ない大学生の幼児期における運動学習の認識論的信念を明らかにすることを目的として調査を実施した。データ収集は,予め基幹的な質問項目を設定した半構造的インタビューを用いて行われた.インタビューデータは,調査終了後に調査者によって直ちにテキスト化され,標題作成,サブカテゴリー作成,カテゴリー概念化,そして信頼性検証の順で分析された.分析の結果,大学生の幼児期における運動学習についての認識論的信念を説明するものとして「運動参加の促進」,「応答的な指導」,及び「継続への志向形成」の3つのカテゴリーが形成された.養成課程の大学生は,幼児期における運動が子どもにもたらす恩恵を認識しており,幼児期は運動の楽しさ感じる体験を蓄積し,その結果として運動継続への資源づくりを行う時期だと考えていた.まそして,継続への志向形成を支援するためには,子どもの発達特性を多角的に理解し,自分の考えを押し付けるのではなく,子どもを主体とした適応的な指導を行うべきだと考えていた.こうした考えの背後には,運動技能指導に関する普遍的な知識は存在しないという知識の性質に関する信念,そして知識は権威者によって与えられるのではなく,子どもが自ら獲得するべきだという知識獲得に関する信念が認められた. 平成26年度に実施した調査結果から,優れた幼児体育指導者は幼児の成功体験を蓄積するために達成へと導く指導に関する普遍的な知識もつ必要性を認識していることが明らかとなっている。知識の普遍性を認めない大学生とは異なる結果であり,この信念の違いが指導場面での言語選択にどのように影響を及ぼしているのか今後検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象者との調整により,研究計画からやや遅れているものの,全ての研究課題に関する調査が進行中であることから,研究期間中に研究課題について一定の成果が得られると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って,比喩的な指導言語の運動学習への作用及び幼児体育指導者の省察について調査を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
調査協力者に対する謝金が必要ではなくなったため
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画に従って、調査協力者に対する謝金として使用する予定である
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