本研究は,漸増負荷走中の血糖値の動態と長距離走のパフォーマンスとの関係性について,トレーニング強度と漸増負荷走中の血糖値の動態との関係性について検討することを目的とした.また,男女間の相違についても検討を行なった.男性では,2~5 kmの走行距離の場合,最高酸素摂取量の走速度に対する相対強度を高く保つ能力が漸増負荷走中の血糖値の上昇量に反映される可能性が推察された.また,漸増負荷走中の血糖値量の上昇量を増加させるトレーニング強度としては,低強度よりも高強度のトレーニングが重要になると考えられた.一方,女性では,漸増負荷走中の血糖値の動態と競技パフォーマンスとの間に関係性は認められなかった.
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