研究課題/領域番号 |
26750279
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大川 康隆 東海大学, 経営学部, 講師 (60548725)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 柔道 / 加圧トレーニング / 成長ホルモン |
研究実績の概要 |
四肢の基部を専用のベルトで圧迫し、血流制限しながらトレーニングを行う「加圧トレーニング」は、低負荷、短時間で行われるにもかかわらず、著しい筋肥大と筋力増強をもたらす。これは、医学的、生理学的に基礎研究がなされている。しかしながら、基礎研究を超え、応用的側面からスポーツ技術トレーニングにおける「加圧」の効果を検討した報告は少ない。本研究では、「加圧」を用いた、柔道における技術トレーニングがもたらす効果を運動生理学・生化学的な観点から検討し、競技力向上のための新しい技術・体力トレーニングプログラムを開発することを目的とする。 2015年度は、この「加圧」を用いた、柔道における技術練習が内分泌系に与える影響を、血中の成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、乳酸から検討した。その結果、通常行われる血流制限なし(加圧なし)の状態での打ち込みと、血流制限下(加圧あり)での打ち込みを行ったグループを比較したところ、いずれの値も実験前後において血流制限あり(加圧あり)のグループが有意に高い結果となった。 当初は、上記を本年度の計画とし、実験の進行度合いや結果の早期発現により、学会発表や論文の投稿という形での成果報告ができれば、その実施も視野に入れることとしていた。よって、研究成果の発表は最終年度である2016年度を予定していた。しかし、想定よりも進度が若干早かったため、実験から得られたデータの収集や分析のみならず、本研究成果を2015年度日本武道学会にて発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における今年度の研究計画として、血流制限下における柔道での打ち込みが内分泌系に与える影響を検討することを目的として実験を進めた。当初は、研究成果の発表は最終年度である2016年度を予定していた。しかし、本年度は、実験から得られたデータの収集や分析のみならず、日本武道学会にて研究成果の発表を行うことができ、着実に研究は進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は本研究課題の最終年度となる。2014年度は血流制限下における柔道での打ち込みが、体組成に与える影響について検討した。2015年度は、内分泌系に与える影響について検討した。本年度は、実験から得られたデータをもとに考察を深め、論文として発表を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度は、「その他」に650000円、「物品費」に100000円、「人件費・謝金等」に150000円として使用計画を立てていた。「その他」に計画していた血液成分分析は予定よりも費用が掛からなかった。「物品費」、「人件費・謝金等」については、いずれも支出を必要としなかった。次年度に有益に使用したい。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は453528円である。「その他」残額の203528円については、血液成分分析の実施に使用する計画である。「物品費」残額の100000円については、2016年度に予定している論文投稿のための、データの収集・分析の為に使用する予定である。「人件費・謝金等」については、2016年度の血液成分分析の際に使用したい。
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