研究課題/領域番号 |
26750281
|
研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
森 健一 武蔵大学, 人文学部, 講師 (60637510)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | クロストレーニング / 走運動 / 自転車運動 / 陸上競技 |
研究実績の概要 |
クロストレーニングは専門とするスポーツの競技力向上のためにその他のスポーツあるいはトレーニングを行うことであり、競技者は様々な方法でクロストレーニングを実施している。本研究では、陸上競技者を対象として、専門とする運動様式である走運動と専門様式と異なる自転車運動の様式に着目し、両運動様式の類似性および相違性を明らかにすることによって、技術的要因を踏まえたクロストレーニング手段としての自転車トレーニングの有用性についてコーチング学的視点から検討することを目的とした。 そのために、60m走と30秒間の全力ペダリング運動を実施し、それぞれの加速区間と最高速度区間の疾走およびペダリングの動態について、側方からビデオ撮影し、比較検討を行った。なお、走運動では地面反力計、自転車運動では自転車ペダル踏力計測システムを用いてKinetics的データを収集した。同一被検者の走運動と自転車運動の下肢の動態をKinematicsおよびKinetics的に分析し、主に下肢三関節のトルクの類似点および相違点の比較や運動パフォーマンス(疾走速度および自転車エルゴメータにおける発揮パワー)に対する貢献度などについて多角的に検討している。また、平成27年度も継続して縦断的に検討することから、それぞれの運動様式でのパフォーマンスの変動に関与する指標の抽出も視野に入れ、両運動様式の関係性を検討しクロストレーニング手段としての理論を構築していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画において、平成26年度は2回の実験を実施する予定であったが、本研究の主要機材である自転車ペダル踏力計測システムにトラブルがあり、国外での調整となったため実験開始が遅れ、1回のみの実験となった。これにより当初予定していた実験計画は2~3ヶ月ほど遅れる形となっている。しかしながら、年間シーズンを通しての測定時期を移動させることによりこの問題はクリアにできる。また、被検者および検者を学外の競技者に依頼しているため、日程調整が困難であることもあるが、連絡を密に取ることによって計画を進めていく。
|
今後の研究の推進方策 |
H27年度は、継続的に測定・分析を行い、横断的なデータ収集によって得られた結果に照らし合わせ、個人の値の変動についても検討を進めていく。ただし、対象者の試合スケジュールやトレーニング計画との関係から、当初予定していた人数よりは少数であるため、対象者を追加しデータを蓄積していく。測定内容は、H26年度と同様に、走運動および自転車運動の動態比較からKinematicsおよびKinetics的データを収集する。 また、上述したように、研究計画の遅れがあるものの、年間シーズンにおける測定値の変化をシーズン中および準備期の観点から比較検討しトレーニングに対する示唆を得ることを目的として行い、クロストレーニングの有用性を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
H26年度は、測定機器のシステムトラブルにより実験回数を当初の予定通りに実施できなかった。そのため、検者、被検者代を次年度に持ち越すこととなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
H26年度に実施できなかった測定を、年間シーズンを通しての測定時期を移動させることによって解決し、合計の測定回数においては当初の計画通りに実施する予定である。そのため、持ち越した金額と合わせて計画通りに使用する。
|