研究課題/領域番号 |
26750282
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 指導者養成 / 公認指導員資格制度 / 競技スポーツ / 生涯スポーツ / 柔道指導要領 / 昇級審査規定 / 指導法 |
研究実績の概要 |
本年度は指導者養成と7-14才の青少年を対象にする指導法を焦点にして日本における柔道教育の現状を把握し、ドイツのシステムと比較し、日本の柔道教育で改良すべきところをまとめてみた。研究方法としてはドイツと日本の両柔道連盟の指導者養成に関する一次資料の収集と分析を行った。また、C指導員養成講習会を視察した際に、日本の指導者養成の現場を観察する機会が得られた。本研究において、(1)「2013年以降の全日本柔道連盟の主な教育方針」と(2)「日本の指導者養成の特性」を把握し、(3)「ドイツにおける指導者養成の特性」をまとめて、日本とドイツを比較しながら(4)「日本の柔道教育に見られる問題点」をまとめてみた。本研究の結果として、全日本柔道連盟が2013年に新たに導入したA指導員・B指導員・C指導員の三種類の公認資格に分けた指導者養成制度は競技者の育成と指導ができる指導者の養成を目的とすることは明らかになった。それに対して、ドイツの指導者養成制度は対象者の修行目的とレベルに応じた指導ができる指導者の養成を目指す。ドイツの公認資格制度は日本と同様にA・B・Cの三種類に分けてあるが、日本と違って、各段階の指導員資格は領域別に選手育成を目的とする競技スポーツと護身術、健康スポーツ、未就学児指導等を含む生涯スポーツに分けてある。ドイツにおいて柔道の指導は初心者から上級者まで至る発育発達段階に応じた全国統一したプログラムに従って行われる。このプログラムはドイツ柔道連盟の昇級審査規定と柔道指導要領に基づいており、指導者養成と連携している。日本の柔道教育において指導者養成は競技スポーツとしての柔道を強調し、対象者別の指導法を十分扱わなく、青少年を対象にする統一した指導プログラムもまだ存在していない。したがって、公認指導員資格制度の改良及び全国統一した昇級審査規定の導入が望ましいだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
転職したため、本年度は海外調査に行けなくなった理由で資料分析と日本国内の現状把握を優先にした。結果として、資料分析の方は計画以上に進展しているため、研究はほぼ順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は海外調査と国内・海外のインタービュー調査を行う予定である。また、資料分析に得られた研究成果を報告書と原著論文としてまとめることを計画している。さらに、指導者養成にかかわる柔道関係者向けの教材を作成することも考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
転職のため、海外調査に行けなくなった理由で旅費と人件費・謝金の金額が残っている。
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次年度使用額の使用計画 |
海外の研究調査に使用する予定である。
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