研究課題/領域番号 |
26750283
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小木曽 航平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (00711235)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メキシコ / 民族スポーツ / オアハカ / オアハケーニョス / ペロタ・ミシュテカ / 生きたスポーツ |
研究実績の概要 |
本年度は、研究対象の選定を目的とした先行研究の検討及び現地調査研究を実施した。先行研究の検討結果は2014年10月に中国で開催された第3回アジアスポーツ人類学会において「The Presence of Ethnic Sports in Mexico」と題して口頭発表した。また、2015年3月11日~24日まで、メキシコ合衆国の首都メキシコシティ及びオアハカ州オアハカ市において現地調査研究をおこなった。 先行研究の検討では、広く国内外で公刊されているメキシコ先住民伝統スポーツ関連の文献を入手し、分析を行った。結果、多くの先行研究が「トラチトリ」に代表される古代の球戯を取り扱っていることが判明した。即ち、本研究が目指す、現在のメキシコ社会における先住民伝統スポーツの価値や実践の様態についてはこれまでのところ十分に解明されていないことが明らかとなった。 以上のような先行研究の検討結果を踏まえて実施した現地調査研究では、特に「ペロタ・ミシュテカ」と呼ばれる先住民伝統スポーツを行うプレーヤーと関連団体に対して参与観察と聞き取りを行った。調査では、その名称とは異なり、現在のペロタ・ミシュテカがミシュテカ人だけではなくサポテコ人も含む「オアハカ人」=「オアハケーニョス」の文化として認識されていることを観察できた。そして、ペロタ・ミシュテカがオアハケーニョスの間で”生きたスポーツ”として日常的に行われていることが明らかになった。民族スポーツは古き良き伝統として、担い手たちに意識的に守られて生き永らえることが多い中、ペロタ・ミシュテカとオアハケーニョスは、民族スポーツを伝統にしない仕方で、実践している点で大変興味深い事例といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は順調に進んでいる。必要な資料の入手は捗っており、また、調査対象及び地域の選定も順調で、インフォーマントの確保も想定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、(1)ペロタ・ミシュテカを中心とした事例研究と(2)メキシコ伝統スポーツ関連組織の活動を軸とした事例研究の二つを展開していく。(1)については引き続き、参与観察と聞き取りによって情報収集にあたる。(2)については入手している資料を中心に、論文としてまとめていく。
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