本研究は、メキシコの「先住民伝統スポーツ」を対象に、それが文化資源として活用されるようになる際の特色、仕組み、そして可能性について文化人類学の手法を用いて総合的に解明することを目指した。特に対象としたのはオアハカ州を発祥とする「ペロタ・ミシュテカ」というスポーツである。このスポーツは現在、オアハカ移民によってアメリカでも行われている。研究期間中、計5回、メキシコとアメリカにおいて現地調査研究を実施した。その結果、先住民伝統スポーツが文化資源化する際の特色として「伝播」、その仕組みとして「移民と政府の協同」、そして可能性として「文化的アイデンティティの維持と強化」が示唆された。
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