研究課題
本年度は、スポーツイベントの開催が開催地域の都市イメージにもたらす影響を検証することであった。質問紙調査を行い、イベント参加経験の違いによる都市イメージとスポーツイベントのフィット(適合度)を測定してスポーツイベントが都市イメージもたらす影響を検証し、共分散構造分析によってスポーツ観戦(イベント経験)による都市イメージへの影響及び地域への愛着に与える影響を検証した。イベントとさいたま市のイメージフィット(適合度)を大会観戦経験ごとに比較したところ、過去の大会観戦数が多ければ多いほど、イベントとさいたま市のイメージがフィット(適合)していく傾向が明らかとなった。つまり、継続してスポーツイベントを開催していくことで、さいたま市に対するイベントのイメージ転移(トランスファー)が強くなっていく可能性が示唆されており、スポーツイベントを通じて都市が持つイメージを都市イメージに転移する都市ブランディングの可能性が本結果から示唆された。スポーツイベントでの観戦経験がもたらす都市イメージへの影響と都市イメージがもたらす地域愛着への影響を検証した結果、イベントを通じて快感情(楽しい、嬉しい)を経験することでさいたま市への好意的なイメージが高まり、ツール・ド・フランスとさいたま市へのイメージの一致度が高まることがわかった。さらにイメージの一致度が高まると、地域への愛着が高まることが示されたが、さいたま市のイメージ向上が地域への愛着に特に強い影響を与えることが分かった。本研究結果において特筆すべき点は、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの開催意義として、イベントに地域住民が参加し、快感情を伴うような経験をすることでさいたま市のイメージが向上し、結果として開催地域住民の地域への愛着にポジティブな影響をもたらす可能性が示唆されたことが挙げられる。
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Journal of Convention & Event Tourism
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