研究課題/領域番号 |
26750286
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
水藤 弘吏 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (10513145)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 競泳 / スタート / パフォーマンス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は跳び出しから入水後までを一連の動作として捉え,その動作の定量的評価法を開発することを目的としている. 競泳のレース局面は4つの局面(スタート,ストローク,ターン,フィニッシュ)から構成されている.これまでの研究からも各局面と競技記録との間には有意な相関関係が認められており,パフォーマンスの改善には各局面の時間短縮が求められる.スタート局面については,スタート台から跳び出し15mを頭部が通過するまでの時間で評価される. 2015年度は近代4泳法における100m種目の競技記録とスタート,ストローク,ターン、フィニッシュ局面との関係について検討するとともに,単回帰分析を行うことで競技記録から各局面の目標時間を推定する新たな式を作成した.これらの結果から,100m種目ではいずれの泳法もストローク局面とターン局面の傾きが他の局面よりも大きいことから,100m種目ではストローク局面とターン局面が競技記録に大きく影響することを明らかにした. 一方で,スタート局面全体ではなく,跳び出しから入水までの運動学的特徴を捉えることを本研究の最大の目的としているものの,入水局面では大きな水しぶきが発生する.そのため,映像から身体動作の特徴を捉えることが困難である.本研究では、加速度センサを用いてその加速度変化から跳び出しから入水に至るまでの運動学的特徴を捉えようと試みているが、加速度センサの不具合があり,多大な時間を消費している状況にある.最終年度である次年度では加速度センサだけでなく,自立式発光マーカーを用いて映像から跳び出しから入水に至る動作の運動学的特徴を評価する計測システムの確立を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,跳び出し時に必要な体力因子とともに,高速度カメラや加速度センサを用いて跳び出しから入水後までを一連の動作として捉え,その運動学的特徴を定量的に評価する方法の確立を目指している.しかしながら,購入した加速度センサに不具合が発生し,その修理に多大な時間を取られてしまった.そのため,研究計画を修正し,競技記録とスタート局面との関係性について検討するように修正した.本年度については4泳法の競技記録とスタート局面について検討した.
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今後の研究の推進方策 |
機器の修理の遅れから当初の研究計画から大きく遅れが生じた.加速度センサは利用することができるようになったものの,加速度センサを実用的に使用するまでに時間がかかると考える.そのため,研究目的を迅速に遂行するには,映像のみを用いた跳び出しから入水に至るまでの運動学的特徴を評価するシステムの開発を進めるようにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
加速度センサが実用的に使用できなかったため,発光マーカーと水中用のカメラを購入するために次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
当該助成金と翌年度分として請求した助成金を合わせて,発光マーカーと必要となった水中用のカメラを購入する予定である.
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