研究課題
スポーツ前のストレッチングは,怪我の予防やパフォーマンスの向上のために行われている。しかしながら,どのストレッチング方法がウォームアップとして最適か,未だ議論が続いており,これを解決するためには,ストレッチングの効果を包括的に評価し,判断する必要がある。そこで本研究では,関節可動域,stiffness(筋の硬さ),筋力に着目し,スタティック・ストレッチング(以下,SS)またはダイナミック・ストレッチング(以下,DS)をそれぞれ単独で施行,およびそれらを併用して施行した際に各評価指標に与える影響を検証することを目的とした。本研究の結果は,科学的根拠に基づいた最適なウォームアップ方法を提唱するための一助となると考えられる。平成26年度には,SSまたはDS単独での施行が,関節可動域およびstiffnessに与える影響を検証した。結果,(1)どちらのストレッチング方法においても,介入後に関節可動域の増加およびstiffnessの低下が生じること,(2)介入後の関節可動域増加およびstiffness低下の程度は,ストレッチング方法の違いによる差を認めないこと,および(3)介入後の関節可動域増加およびstiffness低下は,SSよりもDSの方が長く持続することを明らかにした。平成27年度には,SSまたはDSをそれぞれ単独で施行,およびそれらを併用して施行した際に,関節可動域,stiffnessおよび筋力に与える影響を検証した。結果,(1)どのストレッチング方法においても,介入後に関節可動域の増加,stiffnessおよび筋力の低下が生じ,介入後の関節可動域の増加と筋力の低下はstiffnessの低下よりも長く持続すること,(2)介入後の関節可動域増加,stiffnessおよび筋力低下の程度は,ストレッチング方法の違いによる差を認めないことを明らかにした。
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