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2015 年度 実施状況報告書

ランニングエコノミー向上を目的とした複合型アップヒルランニングプログラムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 26750292
研究機関環太平洋大学

研究代表者

吉岡 利貢  環太平洋大学, 体育学部, 講師 (60508852)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードランニングエコノミー / 上り坂 / 筋力
研究実績の概要

平成27年3月に行った実験の分析を行った。この実験では、学生長距離ランナー15名を対象に、斜度0%および3%に設定したトレッドミル上を5000m走のレースペースに近似する20km/hで走らせ、その際の疾走フォームを側方より高速度カメラで撮影し、分析を行った。また、斜度0%・18km/hで疾走中の酸素摂取量を測定し、ランニングエコノミーの指標とした。さらに、筋力測定器(Biodex System4)を用いて股関節の屈曲・伸展(60度/秒および180度/秒)、外転(0度/秒)の最大筋力を測定した。

その結果、疾走時における接地から立脚中期にかけての膝関節屈曲量は、水平面(24.7±5.3度)より上り坂(18.7±5.3度)の方が、有意に低値を示した。一方、上り坂および水平面ともに、膝関節屈曲量が小さい者ほどランニングエコノミーが優れており、両者の間に有意な相関関係が認められた。また、上り坂から水平面にかけての膝関節屈曲の変化量が小さい者ほど股関節外転筋力が高く両者の間に有意な相関関係が認められた。さらに、水平面における膝関節屈曲量と股関節内転角度に有意な負の相関がみられたことから、膝関節のつぶれる主な原因として股関節内転が大きく影響している可能性が示唆された。

以上の実験結果は、上り坂走は、“膝のつぶれ”が小さい経済的な走フォームを獲得する為の有効な手段となる可能性、また、股関節外転筋力を高めることで同様のフォームを水平面でも再現できる可能性を示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

トレッドミルの斜度調整機構に不具合が生じたため、研究課題2および3として設定した「アップヒルランニングがその後に行うレベルランニングにおけるランニングエコノミーバイオメカニクス的因子に及ぼす影響」についての短期的効果および長期的効果についての実験の実施が平成28年度にずれこんだ。

今後の研究の推進方策

現在、短期的効果についての実験を実施している。計画の遅れも影響して、長期的効果を当初予定していた小学生を対象とすることが困難になったため、短期的効果と同様に大学生長距離ランナーを対象とし、事例的に実施することを検討している。

現在、異なる特徴を有するランナーのピックアップを、平成27年度の結果も考慮しながら行っているところである。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に実施予定であった実験が、実験機器不良により28年度にずれこんだため、実験にかかる旅費や謝礼の支払いがなくなったため。

次年度使用額の使用計画

計画段階では静岡県浜松市で実施予定であった実験を環太平洋大学で実施することとなった。平成27年度に支出する予定であった旅費を、環太平洋大学で実施するために新たに必要となった動作分析システムの購入と消耗品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 傾斜の有無による疾走動作の変容に股関節筋力が及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      田中耕作、吉村海澄、山本正嘉、吉岡利貢
    • 学会等名
      第28回ランニング学会大会
    • 発表場所
      環太平洋大学
    • 年月日
      2016-03-12 – 2016-03-13

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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