本研究では,運動の修正や結果の誤差修正の積極性が高まることを期待して意図的に調節した教示を与えることを,複数の動作様式を採用して行い,その効果を定量化することを目指した.本研究では,まず,リバウンドジャンプトレーニング中に感覚的にわかり易く,接地時間,滞空時間,ジャンプ時のスティフネスを表示し,自身のジャンプの状況をフィードバックするデバイスを構築した.このフィードバックを用い,試技では動作周波数を設定し,その周波数に合わせることで間接的にスティフネスを調節させる試技を行い検証した.その結果,リバウンドジャンプにおける跳躍力の高低によって,同周波数の条件で接地時間と滞空時間の割合が異なるが,その割合が同等になる付近の周波数でのトレーニングには,接地時間やスティフネスの改善等の一定の効果が認められた.ジャンプ能力に応じてトレーニングに適した周波数を提示することが効果的である可能性を示した.このことから,周波数を設定したリバウンドジャンプについては日本体育学会第67回大会にて発表した. 次に,教示の調節の指標を検討する基礎的データ蓄積のため,歩行,ジャンプ等の単純な運動を複数用い,距離のターゲットに対し運動を調節した結果に対して意図的に調節した甘い判定と厳しい判定を返すことによる誤差修正の変化を検証した.この結果,特性パワー発揮の特性に応じて誤差修正パターンに一定の傾向があることが認められた.
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