研究課題/領域番号 |
26750298
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
大家 利之 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, その他部局等, 研究員 (70610062)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 間欠的運動 / ゴール型球技 / チームスポーツ / 反復スプリント / 高酸素 |
研究実績の概要 |
サッカーやハンドボールなどのゴール型球技選手の試合中の動きは、スプリントなどの短時間高強度運動を、ジョギングなどの比較的低強度の運動を挟んで繰り返す、いわゆる間欠的短時間高強度運動である。本研究では、間欠的短時間高強度運動において、運動パフォーマンスを維持するために最善の方法を検討することを目的としている。 H27年度は高濃度の酸素吸引に着目し、高濃度の酸素吸引が間欠的高強度運動パフォーマンスに及ぼす影響について検討することを目的として研究を行った。男子自転車競技選手8名を対象に、自転車エルゴメータを用いて間欠的高強度運動テストを行わせた。間欠的高強度運動テストは、3分間の高強度ペダリングを3分間の休息を挟んで5セット行う内容であった。5セット目の高強度ペダリングは、疲労困憊まで行わせた。吸引する酸素濃度の条件は、通常濃度の酸素条件(21%)と高濃度の酸素条件(36%)の2種とした。パルスオキシメータを用いて運動中の動脈血酸素飽和度を測定した。高濃度の酸素条件では、間欠的高強度運動テスト時の疲労困憊までの時間が、通常濃度の酸素条件と比較して長かった。高濃度の酸素条件下では、動脈血酸素飽和度が維持された。高濃度の酸素吸引は、間欠的高強度運動パフォーマンスを改善させることが示唆された。 また、H26年度に行った研究結果は、H27年度に原著論文として受理された(Springerplus, 2015)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、間欠的短時間高強度運動において、運動パフォーマンスを維持するために最善の方法を検討することを目的としている。特に、H27年度は、高濃度の酸素吸引に着目して研究を行った。H26年度に行った研究は、既に原著論文として受理された。H27年度の研究成果も現在、原著論文として投稿中であり、H28年度中には、原著論文として受理される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、間欠的短時間高強度運動において、運動パフォーマンスを維持するために最善な方法を検討することを目的として研究を行う。H27年度に行った研究成果は、H28年度中に学会で発表し、研究内容を周知することに尽力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
H27年度で得た知見を基に、新たな研究課題を得たため、追加で実験をする必要があり、使用額が当初の研究計画と異なった。
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次年度使用額の使用計画 |
H27度の知見を学会で発表するための旅費、原書論文として投稿するための英文校正費や論文掲載費として使用する。また、追加の実験を行う為、人件費や謝金を必要とする。
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