研究課題/領域番号 |
26750300
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
鈴木 康弘 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, その他部局等, 研究員 (00392697)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 低酸素トレーニング / 低酸素宿泊 / スプリントトレーニング / 持久性トレーニング / MART / VO2max |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、競技者を対象とした7日間の低酸素トレーニング合宿を実施し、宿泊時に低酸素暴露した場合(LHTL)と、トレーニング時に低酸素暴露した場合(IHT)のトレーニング効果について検討することとした。被験者は400mおよび800mを専門種目とする女子大学生陸上選手17名を対象として、7日間の低酸素トレーニングを実施し、トレーニング効果についてIHTとLHTLで比較した。トレーニングは、午前中にスプリントトレーニングを、午後に持久性トレーニングを、期間中それぞれ5回実施した。4日目は疲労回復の目的でトレーニングを実施しなかった。IHTは、これらのトレーニングを標高3000m相当(酸素濃度14.4%)に設定した低酸素トレーニング室内で実施した。LHTLは、夜間睡眠時、1日10時間以上、高度2000m相当(酸素濃度16.4%)に設定した室内で過ごした。トレーニング効果を明らかにするために、トレーニング期間の前(Pre)と7日後(Post)にMaximal anaerobic running test (MART)および最大酸素摂取量(VO2max)テストを実施した。 その結果、MARTにおける最大パワーは、IHTがLHTLと比較して有意( P<0.05)に増加したが、VO2maxは両群ともに有意な変化は認められなかった。 常圧低酸素環境における7日間の高強度トレーニングは、同様のトレーニングを常酸素環境で行い低酸素環境で宿泊した場合と比較して、競技者のMARTの最大パワーを向上させることが示唆された。したがって、短期間で競技者のパフォーマンスを向上させるためには、低酸素環境での高強度トレーニングが有効であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トレーニング実験を4回実施しており、貴重なデータが得られている。
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今後の研究の推進方策 |
予定していたトレーニング実験が終了し、学会発表および論文投稿を積極的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では、侵襲的な測定項目を実施することになっていたが、今年度の実験では実施できなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
競技力の高い選手を対象に、トレーニング実験を実施し、そのトレーニング効果を各競技会での成績(記録)で判定する予定である。そのため、海外を含む各競技会会場までの交通費での使用を見込んでいる。
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