研究課題/領域番号 |
26750302
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
藤田 善也 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (30633226)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ローラースキー反力 / ポール反力 / 動作分析 / 日本人の特徴 / 世界トップ |
研究実績の概要 |
平成26年度には,本研究の2つの目的を達成するために,①クロスカントリースキー競技の滑走技術の評価のためのシステムの開発,および,②世界一流選手と日本人選手の滑走技術の差の抽出のためのデータ収集を行った. クロスカントリースキー競技の滑走技術の評価のためのシステム開発ではポール反力センサを新たに製作し,従来のものと比較して小型・軽量化されたシステムの開発に成功した.さらに,ローラースキーにひずみゲージを貼り付けることで,ローラースキー反力システムを製作した.それらのシステムを用いて,実際のクロスカントリースキー選手を対象に滑走動作中のポール反力およびローラースキー反力を収集した.その結果,斜度や速度の変化に応じて発揮されるポール反力に変化が現れること,滑走中の走法によってポールとローラースキーから発揮される力の割合に違いがあることが示された. 世界一流選手と日本人選手の滑走技術の差の抽出のためのデータ収集は,2月に行われた世界ジュニア選手権の男女スプリント競技を対象とした.ハイスピードカメラを用いて側方より選手の動作をサンプリング周波数120Hzで撮影した.対象としたレースは世界トップ選手と日本人選手との間で特に競技成績に大きく差があることが公式成績表によって示された.このことは,ビデオで撮影されたデータを詳細に分析することよって滑走技術の差が明らかとなる可能性があることを示唆するものである.これらのデータは,現在,鋭意分析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポールセンサの設計・開発に時間を要したため,データの取得が一部しかできていない状況である.今後は,データ収集を積極的に行ってエビデンスを得たうえで,滑走技術を向上させるためのトレーニングの検討を行ってきたい.
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今後の研究の推進方策 |
縦断的,横断的なデータを取得することにより,幅広い競技者を対象とした滑走技術の評価およびトレーニングの検討を行うことで,競技現場で課題となっている競技者育成システムの普及や一貫指導のための示唆を得ることをより重要視する.
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次年度使用額が生じた理由 |
反力センサシステムの設計および製作に時間がかかり,次の段階に研究を進めることが困難であった.しかしながら,これらの製作は年度内には完了したことから,次年度には計画に基づいた使用が可能である.
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次年度使用額の使用計画 |
実験の実施に必要な機材の準備を随時実施していく.すでに一部のデータ取得は開始されているため,実験計画とデータ解析を並行して実施し,年度末の雪上実験まで,計画通りに予算を使用する.
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