持久的運動はミトコンドリア生合成や血管新生などの骨格筋の適応現象を惹起するが、これらの現象を制御する分子機序は未だ不明瞭である。リゾリン脂質は様々な生理作用を有することから、持久的運動による骨格筋の適応現象にリゾリン脂質が関与すると仮説を立て、持久的運動により骨格筋で変動するリゾリン脂質分子種の探索を行った。その結果、急性の持久的運動および持久的運動トレーニングにより骨格筋組織中で特定の脂肪酸を含有するリゾリン脂質分子種が増加することが示された。以上の結果から、持久的運動は骨格筋中の特定のリゾリン脂質分子種の濃度を変化させることを見出した。
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