本研究は低酸素下での有酸素能力低下の個人差のメカニズムを呼吸筋活動に注目して解明するとともに、安全な高所トレーニング法の提言を目的として、一連の研究を行った。低酸素下での有酸素能力の低下の程度の個人差について、性差に注目したところ、女性は男性よりも換気の呼吸筋仕事効率が悪く、最大酸素摂取量が大きく低下する傾向にあることを明らかにした。さらに呼吸筋トレーニングによって、低酸素下での有酸素能力低下の程度が小さく抑えられる可能性を示した。低酸素下での有酸素能力低下の個人差は呼吸筋活動の影響を受け、呼吸筋トレーニングを行うことで、安全な高所トレーニングを行うことができる可能性が示唆された。
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