運動後の栄養摂取のタイミングが消化吸収活動に及ぼす影響を検討した。被験者は運動終了の5分後,あるいは30分後に,タンパク質・糖質含有飲料を摂取し安静を保った。対照条件として,飲料摂取のみを行う条件を実施した。超音波診断装置を用いて,腹腔動脈(CA)および上腸管膜動脈(SMA)の血流(BF)および胃排出(GE)を測定した。運動後,消化管BFが減少している運動直後のタイミングで栄養補給を行うと,GEの遅延が生じることが明らかとなった。運動後栄養摂取のタイミングを消化器系の機能や愁訴の観点から考えた場合,運動後30分程は間隔をあけることが望ましいと推察される。
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