研究課題/領域番号 |
26750309
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
渡邊 航平 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (20630990)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 運動単位 / 多チャンネル表面筋電図法 / 神経筋活動 / 加齢 / サルコぺニア |
研究実績の概要 |
本年度は,前年度に記録した若齢者及び高齢者における上腕二頭筋と外側広筋の多チャンネル表面筋電図をスロベニアで解析した.上肢と下肢の筋間で運動単位活動に対する加齢の影響に差異が見られるかを観察する予定であったが,解析時に上腕二頭筋からは分析対象となる運動単位を抽出することがほとんどできなかった.一方で,外側広筋では分析可能な運動単位が十分に抽出された.そのため,上肢と下肢の筋間での比較は困難であることが判明し,今後の検討課題となった.外側広筋については,発揮筋力の増大にともなう運動単位の発火・動員パターンが若齢者と高齢者との間で顕著に異なることが明らかになった.これまで報告されてきたデータは非常に限られた数の運動単位を解析対象としていたが我々の研究では多くの運動単位を対象とできたため,詳細な運動単位の発火・動員パターンを見出すことができた.この結果は老年学分野で権威のある学術雑誌で原著論文として公表した(Watanabe et al. AGE 2016).次年度に実施予定の介入試験における基礎データとなった.また,高齢者を対象としたトレーニング実験を模して類似した条件での介入試験を,若齢者を対象で実施し,成果を公表した(Watanabe et al. Eur J Appl Physiol 2015).最終年度である次年度に向けた準備となる研究成果が着実に成果として公表できたと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は介入試験を実施する予定であったが,基礎データの解析に予想以上の時間が割かれ,次年度に実施することとした.それ以外に予定していた実験は順調に実施する事ができ,成果として公表することもできた. 方法論的な制約から上肢と下肢との間における運動単位活動の比較はできなかったが,方法論の再検討によって,その可能性も探っていく. また,次年度に予定している介入試験に向け,基礎データの蓄積と共に被験者の募集,トレーニング方法の確立などの準備も順調に進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は介入試験を実施する予定であり,それに向けた準備は十分に整っていると言える.被験者の募集が非常に重要な課題となるが既に50名以上の高齢者を被験者候補として登録済みであり,十分な数の被験者数を確保できそうである.介入試験の日程も個々の被験者のスケジュールに合わせて柔軟に対応することで被験者数を確保しようと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた被験者の不参加による謝金と消耗品代の余剰分である
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次年度使用額の使用計画 |
新たな被験者に係る謝金と消耗品代として利用する
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