本研究では加齢にともなう筋力低下のメカニズムを探るため、筋肉の動きをコントロールしている「運動単位活動」(運動神経の働き)に着目した研究を行った。これまで、方法の制約から評価が難しかった「運動単位活動」を多チャンネル表面筋電図法という新たな手法を用いることで評価を試みた。その結果、高齢者では若齢者とは顕著に異なる非常に特徴的な運動単位の活動パターンを有すること、最大筋力と運動単位の活動パターンには非常に強い関係性があることが明らかになった。これらのことは、これまで筋力低下の主な要因として注目されてきた筋肉量の低下に加えて、「運動神経の働き」も重要な要因であることを示唆している。
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