研究課題/領域番号 |
26750311
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
堀田 典生 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (60548577)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血圧 / 循環 / 運動昇圧応答 / 糖タンパク質 / 運動 / アシドーシス / 筋細径求心神経 |
研究実績の概要 |
培養一次求心神経細胞は,酸に対して反応することは稀であるが,酸により機械刺激に対して感作させられる.その酸による機械反応増強作用は,コンドロイチン硫酸により抑制されることが既に報告されている.本研究では,その現象を筋細径求心神経線維レベルでとらえ,また,その機序を明らかにすることを目的としている. 近年,ロコモティブシンドロームの対策として筋力トレーニングが強く勧められている.しかし,筋力トレーニングでは,活動筋の酸素需要と血圧上昇の程度には大きなミスマッチがあり,酸素の需要以上に血圧が上昇している.その理由の一つに,アシドーシスに伴う筋細径求心神経の機械反応増強作用があげられる.もしも,コンドロイチン硫酸によりその作用を抑制することを示せれば,筋力トレーニング中の過剰な昇圧応答を抑えることにつながり,より多くの方がロコモティブシンドローム予防や健康の維持・増進のための筋力トレーニングに取り組めることにつながるとの背景の下に研究を実施している. 32匹のSprague-Dawleyラットを実験に供した.取り出し神経-筋標本を用いて筋細径求心神経線維の活動を記録した.pH6.2の酸暴露により,筋細径求心神経線維の機械刺激に対する感受性は有意に(p < 0.05)増大した.しかし,0.3%コンドロイチン硫酸の筋注をすると,酸の影響は有意に(25例,p < 0.05)抑制された.対照の実験としてクレブス・リンゲル燐酸緩衝液を筋注する実験を実施したが(15例),酸による機械反応増強作用は有意に抑制されなかった. これらの結果から,酸による機械反応増強作用は,コンドロイチン硫酸により抑制されることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の目標(研究計画)は達成できたが,論文執筆に至っていない.また,現象を捉えることに成功したが,機序の解明には至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,ラット取り出し神経筋標本を用いた単一筋細径求心神経記録法において,作動薬や拮抗薬を用い,酸に伴う機械反応増強作用のコンドロイチン硫酸による抑制効果の機序の検討を行う.同時並行にて,ヒトを対象に,コンドロイチン硫酸経口摂取あるいは筋肉内注射により筋力トレーニング中の過度な血圧上昇が抑制されるか検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の実験は失敗が少なく非常に効率よく単一神経の記録ができた結果、消耗品の支出が予定より少額となったため.また,基礎医学研究用連続血圧計を借りることが可能になり,購入の必要がなくなったため.
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次年度使用額の使用計画 |
情報の収集のための国際学会参加に伴う渡航費用にあてる.
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