研究課題
ミオグロビン(Mb)は、骨格筋細胞内の酸素を貯蔵する役割を担うとともに、持久的トレーニングへの適応(筋の有酸素代謝能力の向上)にも貢献するものと考えられてきた。しかしながら、その機序の詳細や Mb発現の制御機構は不明なままであった。本研究の目的は、細胞から生体レベルまでの生理学的・細胞生物学的解析により、Mbの発現制御機構とその生理的意義を明らかにし、その知見を基盤として効果的に Mb 発現を高める運動・栄養処方を開発することである。本研究で得られる知見は、筋代謝能力の分子基盤の理解に加え、筋有酸素能力を高めるための刺激の選択性やトレーニング効率の向上のための基礎的知見として極めて重要な意義があると考えられる。平成26年度は、シグナル伝達メカニズムの詳細な解明を行い、Mb発現増加には細胞内cAMP濃度の上昇が重要であることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度はMb発現のシグナル伝達メカニズムの解明を目標とし、その目標が達成されたため。
平成27年度は、これまで得られた知見を基盤とし、実験動物を用いてMb発現を高めるための運動・栄養処方の開発を行う。
雇用条件上、研究を一時中断する期間が生じたため。
平成27年度は、これまで得られた知見を基盤とし、実験動物を用いてMb発現を高めるための運動・栄養処方の開発を行い、タンパク質・遺伝子発現解析を行う予定である。そのために必要とされる実験動物購入費、薬剤添加特殊飼料費、分析用試薬や分析関連消耗品費が主な使途内容である。また、学会・研究会への出席に要する旅費や分析補助者に対する謝金も支出予定である。
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Journal of Applied Physiology
巻: 118 ページ: 742-749
10.1152/japplphysiol.00054.2014