1.EBM学習ツールのユーザビリティー調査の分析 開発した学習ツールの評価および改善点を知ることを目的とした、質問紙調査およびフォーカス・グループ・インタビュー調査の分析を行った。フォーカス・グループ・インタビューの分析は、文章データを作成し、文脈の意味を解釈した上で内容を表現するコードを作成、似たコード同士をまとめ上位概念となるカテゴリーを作成し、カテゴリーの内容および属性による違いをふまえ、ツールの改善点を考察した。 調査参加者は、男性8名、女性17名の計25名、30歳代~70歳以上まで各年代に分布し、最終学歴は大学以上が半数以上を占めた。質問紙調査の結果、学習ツールの内容に関心が持てた人は76%、難易度については、56%は簡単、28%はちょうどよい、16%はやや難しい、と回答した。文字や絵は、86%が見やすいと回答した。学習したことが日常生活に役立ちそうかについては、72%が役立ちそうである、という回答した。年代別や男女別による結果の違いはみられなかった。非医療者にとって、学習ツールの内容は、関心を持てるもので、また日常生活においても役立つ可能性が示唆された。フォーカス・グループ・インタビューの分析ではツールの具体的な改善点が描出され、次の項目について改訂が必要と考えられた。①学習目的の明示、②所要時間の明示、③学習に際してパソコンを使用するよう明示、④各設問について学習内容の見出しを記載、⑤専門用語をなくし、文章を噛み砕く、⑥説明を短く簡潔に表現、⑦学術的な解説をやめる、⑧クイズの正解(○と×)の割合を均等にする、⑨最後に学習のまとめを明示、⑩テーマを特定せず健康全般とする、⑪登場人物の年齢層の幅を広げる、⑫本来健康に良いとされていることがそうではないと誤解を与える表現をなくす。 2.EBM学習ツールの改訂 上記の調査結果を踏まえ、学習ツールの改訂を行い、完成させた。
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