研究課題/領域番号 |
26750324
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
河村 晃依 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (60458750)
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研究期間 (年度) |
2015-03-01 – 2018-03-31
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キーワード | 介護予防 / エンパワーメント / 量的・質的研究 / 健康高齢者 / 自主グループ / 持続可能な地域開発 / 地域づくり / 地域包括ケア |
研究実績の概要 |
本研究は,地域一般高齢者のエンパワーメント促す住民参加型の介護予防活動が,個人の生活機能および,共助としての自主グループ活性化に与える効果を,量的・質的に明らかにすることを目的としている.平成28年度の研究活動は大きくまとめて①介入研究実施地域の関連機関との調整,②介入研究の必要備品・物品の調達及び介入担当者との調整,③国内外における先行研究の整理,④介入効果の量的評価指標及び質的データ分析方法の検討,の4つであった. ①については,介入研究を実施する2つの地域において,関連する施設・担当者間で,研究実施日程および準備作業スケジュール,会場設定,広報活動,地域が持つ社会資源・協力者等に関して具体的な検討・調整作業を行った. ②については,介入研究で使用する備品・物品などの調達及び,エンパワーメント・地域づくりの視点を持った介護予防専門家への協力依頼・日程調整等を行った. ③については,本研究の大きな特色であるエンパワーメントの視点を重視した地域社会における取り組みであることを踏まえ,本年度は,介護予防分野に加え,地域社会開発分野における国内外の先行研究の整理作業を行った. ④については,量的観点に加えて,本研究の特色である「質的」観点からも介護予防活動の詳細な効果および経過分析を可能とするために,本年度は,個人の生活機能を問う質問紙指標の再検討及び,地域全体及びグループの変容を整理・評価・分析するための質的分析ソフトウェアによる分析方法を導入した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は,地域で暮らす健康高齢者に対し,エンパワーメントを促す住民参加型の介護予防活動を実施し,参加高齢者の生活機能への効果および自主グループ活性化に与える効果を明らかにすることである. 介入プログラムを実施する協力地域及び担当者,会場等のスケジュール調整状況に応じて,調査・介入プログラムの実施時期をH29年度に設定した部分はあるものの,研究は目的に沿って順調に伸展している.
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今後の研究の推進方策 |
H29年度は,研究対象とする2つの地域在住の高齢者を対象に「健康及び地域活動に関するニーズ調査」を実施し,得られた分析結果を介護予防プログラムの資料とする.また,対象2地域(介入地域・非介入地域)におけるプログラム参加者を選定後,ベースライン調査として質問紙調査を実施する。その後,月2回,6か月間の介護予防プログラムを各地域で実施する.プログラム内容は,介入地域にはエンパワーメントを重視した住民参加型の介護予防プログラム,非介入地域には従来型のサービス提供型プログラムとする.介入終了後にベースライン時と同様の事後調査を実施する.6か月間の介護予防プログラム終了後は,参加高齢者の自主グループ活動の発展に向けたフォローアッププログラムの実施及び追跡調査を実施する.また,研究期間中を通して質的側面の評価として,地域及びグループの変容を捉えるための半構造化面接および参与観察の手法を用いたグループ形成分析を実施する. また,研究期間全体を通して得られた結果をとりまとめ,エンパワーメントを重視した介護予防プログラムの効果について量的側面・質的側面から分析・考察する.さらに研究結果を発表する場として,国内外の学会発表及び論文執筆・投稿を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
対象地域の関連機関との日程調整及び,評価指標の再検討等の研究プログラム企画の進捗状況に応じて,調査及び介入研究の開始時期がH29年度になったため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
・調査・介入プログラム実施にあたって必要となる文具・印刷費用等の消耗品費 ・調査・介入プログラム・分析に携わるスタッフ及びプログラム講師への謝礼金 ・国内外の学会出張費用に関わる経費としての旅費,論文投稿に関わる費用
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