本研究では、認知症予防効果に対する理解と、地域環境要因が、高齢者の認知症の予防行動の実践(認知機能検査の受診、身体活動の実施)に及ぼす影響を検証した。 本研究の結果、検査のメリットを認知することは、受診意図を媒介して、認知機能検査の受診に影響をしていることが明らかとなった。また、メリットの認知や受診意図とは独立して、検査会場までの距離も、検査の受診に影響を及ぼしていることも示された。 一方、身体活動の認知症予防効果を認識することは、高齢者の身体活動と直接的には関連していなかった。また、地域環境要因と高齢者の身体活動との関連性は、運転状況や転倒恐怖感の程度によって異なることが明らかとなった。
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