研究実績の概要 |
本研究は、現在継続中の出生コホート研究のデータを用いて、思春期の運動習慣形成、及び骨量に影響を及ぼす環境要因を検討し、思春期の運動習慣形成、及び骨量増大に寄与する要因を明らかにすることを目的としている。
平成26年度は、これまで継続して実施している小学4年生から中学3年生を対象とした骨強度測定、及び生活習慣調査を実施した。また、これまでの蓄積データを用いて、出生体重(2,500g以上か未満か)と小中学生の運動習慣(1週間あたり7時間以上か未満か)との関連を検討した。
その結果、必要なデータが得られた児童生徒は726名(男子401名、女子325名)であり、そのうち出生体重が2,500g未満である低出生体重児は55名(7.6%)、小中学生期の運動時間が7時間/週未満のものは266名(36.6%:男子28.2%、女子47.1%)であった。男子では出生体重と小中学生の運動時間に有意な関連はみられなかったが、女子では、出生体重が2,500g未満である児童生徒は出生体重が2,500g以上の児童生徒と比較して、小中学生の一週間の総運動時間が7時間未満になる割合が有意に高かった (Prevalence Ratio 1.84, 95%信頼区間: 1.35-2.50) 。 機序や性差の理由など、今後更なる検討が必要であるが、小中学生の女子において、出生体重(2,500 g未満)が推奨運動時間(1日60分以上)を満たさない要因となる可能性が示唆された。
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