研究課題/領域番号 |
26750335
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山北 満哉 北里大学, 一般教育部, 講師 (40582143)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子どもの運動時間 / 両親の教育歴 / 社会経済状況 / 家庭環境 / 小児期 |
研究実績の概要 |
本研究は、現在継続中の出生コホート研究のデータを用いて、思春期の運動習慣形成、及び骨量に影響を及ぼす環境要因(胎内環境、家庭環境、近隣環境、学校環境等)を検討し、思春期の運動習慣及び骨量増大に寄与する要因を明らかにすることを目的として実施している。
平成27年度はこれまで継続して実施している小学4年生から中学3年生を対象とした骨強度測定、及び生活習慣調査を実施した。また、当初の計画通り加速度計を用いた身体活動量調査、及び社会環境と子どもの運動時間調査を実施した。さらに、生涯にわたる運動習慣形成に関連する要因を把握するために、当初の計画に追加して高齢者を対象としたスポーツグループの参加に関連する要因の検討も行い、論文発表にて成果を報告した。
環境要因と思春期の運動習慣の関連について、今年度は家庭環境の観点から両親の社会経済状況(両親の教育歴)と子どもの運動時間について検討を行った。その結果、女子において、母親の教育歴が12年以上(短大卒業以上)の児童生徒は、12年未満(高校卒業まで)の児童生徒と比較して、一週間の総運動時間が7時間未満である割合が有意に高いことが示された(12年以上:50.9% vs 12年未満:36.8%, PR: 1.31, 95%信頼区間: 1.01‐1.71)。父親の教育歴とは関連がみられなかった(PR: 0.94, 95%CI: 0.73-1.21)。また、男子では、両親の教育歴と運動時間に有意な関連はみられなかった。 今後は、母親の教育歴が高い女子小中学生の運動機会を増加させる、介入可能な要因を探索することが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に実施予定であった内容(①骨強度測定、生活習慣調査の実施、②加速度計を用いた身体活動量調査、③社会環境と運動時間調査)が当初の目的、計画通りに遂行できているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に計画通り、平成28年度の骨強度測定、及び生活習慣調査を実施する。 また、これまでの研究成果を学術論文として発表するとともに、昨年度実施した身体活動量調査、及び社会環境と運動時間に関する調査データをまとめ、子どもの運動時間や骨量獲得に影響を及ぼす要因を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の未使用額を含め、交付金額内で今年度の研究計画を遂行するよう努めたが、すべてを正確に調整することはできず、若干の未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
未使用額分は次年度の予算に含め、当初の計画通り、骨強度測定に必要な経費(超音波骨量測定装置のレンタル費用、消耗品の購入、測定補助者への謝金や交通費、及び生活習慣調査に用いる調査票、結果票などの印刷費や通信費等)、及び情報収集や研究成果の公表に関する費用(論文の作成に関わる英文校正費や投稿料、掲載料、学会発表に関わる諸費用や旅費等)に使用する予定である。
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