本研究の目的は、急性(一過性)ならびに慢性の(定期的な)低酸素環境下での片脚への機械的圧迫が実験脚と対照脚の動脈スティフネスに与える影響について検討することであった。その結果、一過性の研究から、軽度な低酸素環境下での片脚機械的圧迫は、少なくとも、通常環境で同様の機械的圧迫を行うのと同程度か、若干、大きな動脈スティフネスの低下を引き起こす可能性が示された。しかし、介入研究の結果から、4週間、定期的に機械的圧迫を実施すると、実験脚の動脈スティフネスが低下するものの、その低下率は、常酸素と低酸素の条件で統計的に差は認められず、低酸素の相加作用は認められないことが示された。
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