研究課題/領域番号 |
26750348
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研究機関 | 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所 |
研究代表者 |
角田 憲治 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員 (90718909)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 身体活動 / 運動 / 地理 / 環境 / 移動 / 交通 / 介護予防 |
研究実績の概要 |
平成26年度は高齢者が歩行および自転車で移動しようと思う距離について検討した。茨城県笠間市の要介護認定を受けていない全高齢者16870名に調査票を送付し、検討項目に回答した8680名を解析に用いた。歩行距離については「行きたい場所(知人宅、スーパー、飲食店、病院、バス停・駅など)が自宅から、どの位の距離であれば、歩いて行こうと思いますか」を問い、「①300 m以内、②500 m以内、③1 km以内、④2 km以内、⑤3 km以内、⑥3kmより遠い距離」の選択肢で回答を求めた。自転車距離については「行きたい場所が自宅からどの位の距離であれば、自転車で行こうと思いますか」を問い、「自転車に乗れない(健康面・技術面を含む)、①500 m以内、②1 km以内、③2 km以内、④3 km以内、⑤5 km以内、⑥5 kmより遠い距離」で回答を求めた。回答者の距離に関する認識をできるだけ正確にするため、上記の設問と併せて市内の代表的な3駅より、1 kmに相当する施設(学校や郵便局)を例示した。歩行で行こう思う距離については1 kmもしくはそれ以内を選択する者が、前期男性の70.9%、前期女性の73.2%、後期男性の77.0%、後期女性の79.0%を占めた。自転車については、前期男性の4.5%、前期女性の13.3%、後期男性の14.3%。後期女性の54.2%が、自転車に乗れないと答えた。自転車に乗れる者において、前期男性の54.2%、前期女性の61.0%、後期男性の61.1%、後期女性の63.1%が、自転車で行こうと思う距離として2 km以内もしくはそれ以内を選択した。性、年齢で多少の違いはあるが、歩行であれば1 km以内、自転車であれば2 km以内であれば、高齢者が歩行や自転車で移動する意思があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、大規模な疫学調査に基づき、高齢者が歩行や自転車で行こうと思う距離について明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、GISによる環境評価に基づき、歩行や自転車よる移動と環境要因の関連性について検討を進める。また追跡調査を行う。
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