酸化ストレスとも総称される、細胞内の酸化還元状態の変化が、がん、動脈硬化、神経変性疾患など数多くの疾患に関与していることが知られている。酸化ストレスに対して、アミノ酸残基の中でも、システイン残基のチオール基の反応性が高いことが知られている。このため、酸化ストレスの惹起時に、チオール基に可逆的・不可逆的翻訳後修飾が生じることが多い。本研究では、このようなシステイン残基の酸化状態というプロファイル情報を基軸に、細胞内の恒常性状態を評価する系の構築を試みた。プロテオミクス技術を中心とする、複数のシステイン残基の同時定量を行い、システイン残基の酸化状態の網羅的定量化方の構築に成功した。
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