我々は海馬CA3からの出力が遮断されているとき、リップル波の周波数がコントロールマウスのそれよりも低下することを明らかにした。しかしながら、このミュータントマウスの場所細胞はマウスが現在占めている場所についての情報を問題なく記銘することができた。しかしながら、場所細胞のバースト活動(約125ミリ秒間)を通して動物の現在の場所だけではなく過去や未来の軌跡を海馬CA1神経細胞の集団が表現する現象であるθシーケンスは、このミュータントマウスにはみられなかった。この結果は、CA3が、CA1アンサンブルにおける空間記憶の分節化と時間的配置に必須であることを示している。
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