研究目的は、インドネシアの村落において、建築木材が世代を超えて使い回される仕組みを社会経済的、木質科学的視点から分析し、長期型自然資源利用の仕組みを成立させる要件を明らかにすることであった。研究の結果、対象村落での木造住居の建て替えは、婚姻や親世代の死去などで世帯主が変更した際に主に行われ、建て替え時に約半量の建材が新居や隣人の住居の建材として再利用されていた。村落間の比較から、自然資源の質やサイズ、自然資源利用の技術、土地の個人所有の普及、引っ越し頻度、親族関係、婚姻と死去、生計などが、長期型自然資源利用が成立する要因と示唆された。
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