研究課題/領域番号 |
26760006
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木下 博子 (木下博子) 九州大学, 日本エジプト科学技術連携センター, 学術研究員 (60711223)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 巡礼 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
本年度は、巡礼事業からみる国際的イスラームネットワーク解明のため、以下の課題に取り組むことを目的とした。すなわち、①巡礼事業にかんする資料収集、②収集した資料の分析、③巡礼の商業化の実態について、資料解析では明らかにできない、商業化の担い手である巡礼専門旅行業者への聞き取り、および④アウトプットである。 ①、および②については、調査対象国としていたインドネシアにおける現地調査を実施することが不可能であったため、主として国内において資料収集を実施した。また、二次資料もあわせて精査することで、巡礼の商業化にかんする概要を描き出すことができた。 ③については、上記と同様に現地調査が実施できなかったため、本務校の別業務で訪問したエジプトにおいて、現地に居住するインドネシア人巡礼業者に聞き取り調査を実施した。本聞き取り調査では、巡礼の商業化の担い手である巡礼業者のライフヒストリー、巡礼業者間のネットワークについて明らかにすることができた。 最後に、④については、作業の遅れがあるものの、現在最終稿をまとめており投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたインドネシアでの現地調査が実現できなかったため、予定よりやや遅れて進行している。一方で、エジプトに居住するインドネシア人巡礼業者に複数回に渡って聞き取り調査を実施することで、巡礼業者の実態を明らかにすることができた点は大きな成果と言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、留学による知的ネットワークについて精査することで国際的イスラームネットワークの実態を解明することにつなげる。 具体的には、スンナ派圏最大の留学先であるエジプトとサウディアラビア、シーア派圏のイラン、レバノン、北米・ヨーロッパ圏あるいはオセアニアの米国、オーストラリアを対象に、それぞれの留学制度を明らかにする。 次に、それぞれの地域への留学を担当する政府関係者、および留学経験のある当事者を対象として聞き取り調査を実施することで、留学生活の実態を浮き彫りとすることを目的とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた資料収集に係る物品費、聞き取り調査時の謝金を支出しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度は、資料収集に係る物品費として利用する。
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