研究実績の概要 |
①学術論文の公表 The Formation of Chaoxianzu from Perspectives of Nation, Society and Ethnicity,SENRI ETHNOLOGICAL STUDIES 90 (National Museum of Ethnology),2014 この論文では、まず、新中国の建国過程における朝鮮族という政治的な枠組みの成立過程を論証した。そして、地域社会における漢族との草の根レベルの民族関係を考察したが、それは、はじめて民族関係がリアリティを持つようになった社会主義経済統合の過程で成立した漢族・朝鮮族民族聯合社の実態を分析するというアプローチした。また、エスニシティの側面から、朝鮮族の「祖国意識」の内実を考察したが、新中国が朝鮮戦争をきっかけに始めた「愛国主義」教育の研究対象地域を中心に解明した。これは研究計画調書に記している研究目的の一つである。②学会発表およびプロシーディングス 「延辺における地域の権力構造と朝鮮族エリートの推移(1945-1960)」(韓国満洲学会主催国際シンポジウム「East Asia and Manchuria in Trans-war Period」,2014.9 )。これは研究目的の③に当たり、中国共産党の朝鮮族社会末端への浸透・把握過程を解明するために、同時期地方政権における幹部選抜の実態と形成されつつある権力構造を考察したものである。③学術交流のために中国内モンゴル大学と社会科学院所属の研究者2人を招聘し、研究テーマについての問題意識を共有すると同時に、意見交換を行った。これはこの研究に他民族との比較の視点を取り入れる意味があった。
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