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2014 年度 実施状況報告書

インド北西部における伝統農業の記録保存及び活用

研究課題

研究課題/領域番号 26760014
研究機関総合地球環境学研究所

研究代表者

遠藤 仁  総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (80551548)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードインド北西部 / 伝統農業
研究実績の概要

インド北西部の調査地の内、ラージャスターン州南部に関しては現地調査がほぼ終了し、その中でも畜力を利用した井戸灌漑システムの分布や現状に関して成果を公開した。日本沙漠学会第25回学術大会で「インド北西部半乾燥地における畜力灌漑システムの利用とその変容―ラージャスターン南部を事例として」と題したポスター発表を行い、ベストポスター賞を受賞し、高い評価を得ることができた。
具体的にはラージャスターン州南部及びハリヤーナー州南部において農村で用いられている伝統的農具等の記録化を行い、併せて農民に対するインタビュー調査も行った。前者においては、畜力を利用した井戸灌漑システムの分布調査も行い、基礎的な記録保存に関する調査は終了した。ただし、農具に関する伝統知の聞き取りが十分ではないため、今後はインタビュー調査を強化して進めていく。ハリヤーナー州においては、既に多くの農村で伝統的な農具が消滅しつつあり、電力や化石燃料を用いた大量生産の機械に置き換えられつつある。そして、伝統的な農具は一部の農村で用いられ続けてはいるものの、既に博物館でしか見られなくなってしまったものもある。ハリヤーナー州のクルークシュトラにある博物館では、博物館収蔵の農具等の記録保存もフィールドと併せて行なった。博物館での記録の様子は現地のメディアでも紹介され、失われつつある優れた伝統技術を海外(日本)の研究者が記録し、後世に残す努力をしていると好意的に報道され、本研究内容が現地でも一定の価値を持って受け入れられることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

調査地を2箇所設けているが、そのうちの箇所のラージャスターン州南部では概ね調査が終了し、もう一方のハリヤーナー州南部でも順調に進んでいる。日本の学会でも既に成果の一部を研究発表し、インドの現地メディアでも研究内容が報道されているため、今後完成させる伝統的農具等のデータベースを有効に活用できる準備ができたと考えている。

今後の研究の推進方策

既に収集した伝統的農具等の記録を、現地の識者に確認していただき、追加情報をデータベースに組み込んでいくことが今年度の調査の主眼である。そのインタビュー調査の成果を盛り込んだデータベースの作成を目指す。

次年度使用額が生じた理由

現地の研究協力者の都合で、昨年度の予定していた調査を1回延期した。

次年度使用額の使用計画

平成27年度中に予定していた調査に加え、昨年度できなかった調査と併せて、平成27年度は計3回の海外渡航調査を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] インド北西部における畜力揚水灌漑システムの利用とその変容2015

    • 著者名/発表者名
      遠藤仁・宮嵜英寿・K.P. Singh・田中 樹
    • 学会等名
      日本沙漠学会
    • 発表場所
      秋田カレッジプラザ
    • 年月日
      2015-05-23 – 2015-05-24
  • [学会発表] インド北西部半乾燥地における畜力揚水灌漑システムの利用とその変容―ラージャスターン南部を事例として2014

    • 著者名/発表者名
      遠藤仁・K.P. Singh・宮嵜英寿・田中樹
    • 学会等名
      日本沙漠学会
    • 発表場所
      東京都市大学
    • 年月日
      2014-05-31 – 2014-06-01

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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