インドネシアは世界的に見ても出生未登録児童の数が多く、2013年時点で2400万人の児童が未登録であるとされるが、実態は不明のままである。本研究では、移住家事労働者送り出し地域であるインドネシア西ジャワ州チアンジュール県を調査地として、移住家事労働者の越境就労の帰結として出生した子供の登録に関し以下を明らかとした。第一に出生登録にジェンダー差があること、第二に、登録の実践には、移住家事労働者世帯へのスティグマ付与が関係しており、先行研究で指摘されてきた国籍付与の問題というよりも、文化的なシティズンシップの問題として捉えることが肝要である。
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